終わる恋の白さ

- 詩篇TOPへ -



ゆきがふりました
かぜにのってどこまでもどこまでも
ながれてゆくのです

僕はそのとき貴女の部屋の前にいました
何度もインターフォンを押そうと
指を近づけてみたのですが
どうしても押せないのです

つもるゆきだとおもいました
どうせならほんとうにどこまでもながれてゆけばいい
とおくまで どこまでもとおくまで

僕のコートが白くなってゆくのが解りました
それ程僕は長いことここに居たのです
貴女がこの中にいないのを知っていて
僕はインターフォンを押そうとしています

だれもふこうにならぬように
このゆきがすべてをけしてしまえばいい
すべてまっしろに なってしまえば それでいい

貴女がこの部屋に帰って来る事は
もう二度とないと知っていて――――

ふりつづくゆきのなか
つめたいかぜのまう このせかいで


……僕の瞳から 静かに涙が零れます……


- 詩篇TOPへ -

Copyright(C) Toki Ninakura All rights reserved.
よろしければ、ひとことご感想をお聞かせください。 WEB拍手