れいにぃ・でい

- 詩篇TOPへ -



  傘はひとつしかなかったのです。


「寒いね」と
あなたが呟いて

だからわたしも
「寒いね」と
返しました


ひとつの傘の上で
やわらかい雨が ほたん、ほう

はねました



「冷たくない?」
そう言ってあなたの重ねた唇は
私の唇よりも冷えていて
でも、





ひとつの傘の下で
少しだけドキドキした心が ときん、つん

ふえました


- 詩篇TOPへ -

Copyright(C) Toki Ninakura All rights reserved.
よろしければ、ひとことご感想をお聞かせください。