れいにぃ・でい
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傘はひとつしかなかったのです。
「寒いね」と
あなたが呟いて
だからわたしも
「寒いね」と
返しました
ひとつの傘の上で
やわらかい雨が ほたん、ほう
はねました
「冷たくない?」
そう言ってあなたの重ねた唇は
私の唇よりも冷えていて
でも、
ひとつの傘の下で
少しだけドキドキした心が ときん、つん
ふえました
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